§69. 美しい銀行系キャッシュカード デザイン

 §68 に続き、今回もAlfoatのサイトを参照しています。このサイトには、大変手の込んだPhotoshopのチュートリアルが沢山あります。その中から、美しくデザインされた銀行系キャッシングカードがありましたので、その画像を参照してGIMPで実践してみました。参照先はAlfoatの Beautiful Credit Card Design 。本家のチュートリアルより大幅に簡略化していますが、類似の雰囲気に仕上がったと思っています。

目次のページに戻る

     完成画像。

Step1-3 新規グラデーションの作成。

Step1-5 グラデーション適用後。

Step 1

 ベースとなるデザインの作成。

    1/ 新しい画像を作成します。

    ファイル>新しい画像

    サイズ=450×280
    背景=白

    2/ 実際のカードと同じ大きさの選択範囲を作成します。中央付近に以下の設定で角丸四角の選択範囲を作成します。

    矩形選択ツールのプロパティ
      角を丸める=チェック 半径=15.0
      大きさ=300、190

    3/ 新規にグラデーションを作成します。

    a) グラデーション ダイアログボックス底部の”新しいグラデーションを作成します”ボタンをクリックします。
    b) 左図の設定でグラデーションを作成します。
    c) 名前をつけます(作例では、abstract R-LR-R)
    d) グラデーションエディタを閉じます。

    4/ 新規レイヤーを作成します。

    レイヤー名=Base Gradation
    背景=透明

    5/ Base Gradationレイヤー選択状態で、選択範囲にブレンドを適用します。

    設定:
      グラデーション=今作成したグラデーション(作例では、abstract R-LR-R)
      形状=線形
      グラデーションの適用方向=上端から下端

Step2-2 作成された選択領域。

Step2-5 作成された銀行の行名、ロゴ欄。

Step 2

 銀行の行名、ロゴ欄の作成。

    1/ 選択範囲を解除している場合は、Base Gradationレイヤーから選択範囲を作成します。

    Base Gradationレイヤーを右クリック>不透明部分を選択範囲に

    2/ 矩形選択ツールのプロパティを以下に変更し、カード上部に選択範囲を作成します。

    矩形選択ツールのプロパティ
      モード=選択範囲との交わり
      角を丸める=チェックを外す

    3/ 描画色を変更します。

    描画色=491d26(HTML表記)

    4/ 新規レイヤーを作成します。

    レイヤー名=Bank Name

    5/ 選択範囲を塗り潰します。

    編集>描画色で塗りつぶす

Step3-1 ガイドラインの設定位置。

Step3-5 斜線の回転・移動。

Step3-10 斜線の不要部分の消去。

Step 3

 底部デザイン。

    1/ 左図に示した付近にガイドラインを作成します。

    Base Gradationレイヤーを右クリック>不透明部分を選択範囲に

    2/ 新規レイヤーを作成します。

    レイヤー名=Diagonal Line
    背景=透明

    3/ Diagonal Lineレイヤー全体に斜線のパターンを適用します。

    パターンダイアログで Stripes Fine(48×48)を選択し、イメージウィンドウ上にドラッグ&ドロップします。

    4/ Diagonal Lineレイヤーを -30度 回転させます。

    5/ Diagonal Lineレイヤーを移動させ、カードの底部を斜線が完全に覆うようにします。

    6/ レイヤータブ底部左端のファイルのボタンをクリックし、作成された変換レイヤーを永続的レイヤーに変換します。

    7/ Base Gradationレイヤーから選択範囲を作成します。

    Base Gradationレイヤーを右クリック>不透明部分を選択範囲に

    8/ 矩形選択ツールのプロパティを以下に変更し、ガイドラインより下に選択範囲を作成します。

    矩形選択ツールのプロパティ
      モード=選択範囲との交わり

    9/ 選択範囲を反転します。

    選択>選択範囲の反転

    10/ 変換レイヤー選択状態で、[Del]キーを押して選択範囲を消去します。

    11/ 選択を解除します。

    選択>選択範囲を解除

    12/ Diagonal Lineレイヤーを削除し、変換レイヤーのレイヤー名を Diagonal Line に変更します。

Step4-3 白線の追加。

Step 4

 底部アクセントの作成。

    1/ 描画色を白に変更します

    2/ 新規レイヤーを作成します。

    レイヤー名=Bottom Line
    背景=透明

    3/ アクセント入れます。ガイドラインに合わせてペンツールで白線を描画します。

    ペンツールで直線を作成した後、ペンツールのプロパティの”パスの境界線を描画”ボタンをクリックします。

    ストロークスタイルの選択 ダイアログで
      線スタイルを設定して描画:
        線の幅=2
        描画色=チェック

    4/ Base Gradationレイヤーから選択範囲を作成します。

    Base Gradationレイヤーを右クリック>不透明部分を選択範囲に

    5/ 選択範囲を反転します。

    選択>選択範囲の反転

    6/ Bottom Lineレイヤー選択状態で、[Del]キーを押して選択範囲を消去します。

    7/ 選択を解除します。

    選択>選択範囲を解除

Step5-5 ブラシを一回だけ適用。

Step 5

 内部デザインの作成。

    1/ 描画色を黒に変更します

    2/ 以下よりブラシをダウンロード後解凍し、GIMPのbrushesディレクトリに保存します。

    Obsidian DawnよりUrban Brushes

    【NOTE】 フィルタ>下塗り>集中線 を利用しても可能ですが、作例ではブラシを使用しています。

    3/ ブラシダイアログで更新ボタンをクリックし、インストールしたブラシを利用可能にします。

    4/ 新規レイヤーを作成します。

    レイヤー名=Eradation
    背景=透明

    5/ ブラシ プロパティで、SS-urban-designs-vectors.abr-025#1 を選択した後、Eradationレイヤーにブラシを一回だけ適用します。

Step6-1 グルグルひねるを適用後。

Step 6

 内部デザインの作成。

    1/ Eradationレイヤーに、グルグルひねる を適用します。

    フィルタ>変形>グルグルひねる

    設定は任意ですが、作例では、
      渦の吸い込む方向=-94.48
      吸い込む量=0.288
      半径=1.160

Step7-3 曲線の不要部分を削除。

Step 7

 内部デザインの作成。

    1/ Eradationレイヤーの不要部分を消去します。Base Gradationレイヤーから選択範囲を作成します。

    Base Gradationレイヤーを右クリック>不透明部分を選択範囲に

    2/ 選択範囲を反転します。

    選択>選択範囲の反転

    3/ Eradationレイヤー選択状態で、[Del]キーを押して選択範囲を消去します。

    4/ 選択を解除します。

    選択>選択範囲を解除

Step8-4 選択範囲を青で塗り潰し。

Step8-7 カードの範囲以外を削除。

Step 8

 内部デザインの作成。

    1/ Eradationレイヤーから選択範囲を作成します。

    Eradationレイヤーを右クリック>不透明部分を選択範囲に

    2/ 選択範囲を反転します。

    選択>選択範囲の反転

    3/ 描画色を 青(作例の場合、境界になる部分の色が黒なので、必ず黒以外の色を指定します) に変更します。

    4/ Eradationレイヤー選択状態で、選択範囲を 青 で塗りつぶします。

    5/ Base Gradationレイヤーから選択範囲を作成します。

    Base Gradationレイヤーを右クリック>不透明部分を選択範囲に

    6/ 選択範囲を反転します。

    選択>選択範囲の反転

    7/ Eradationレイヤー選択状態で、[Del]キーを押して選択範囲を削除します。

Step9-2 カード範囲内の不要部分を削除。

Step 9

 内部デザインの作成。

    1/ Eradationレイヤー選択状態で、ファジー選択ツールを使用して、左側の青で塗りつぶした部分を一回クリックし選択範囲を作成します。

    2/ Eradationレイヤー選択状態で、[Del]キーを押して選択範囲を削除します。

Step10-3 ブレンドの適用。

Step10-5 不要部分削除後。

Step 10

 内部デザインの作成。

    1/ Eradationレイヤー選択状態で、色域を選択ツールを使用して、青で塗りつぶした部分を一回クリックし選択範囲を作成します。

    2/ 選択範囲を縮小します。

    選択>選択範囲を縮小

    縮小量=3

    3/ Eradationレイヤー選択状態で、選択範囲にブレンドを適用します。

    ブレンドの設定は任意です。作例では、新たに作成したグラデーションを、形状=線形 で適用しています。

    4/ 選択範囲を反転します。

    選択>選択範囲の反転

    5/ Eradationレイヤー選択状態で、[Del]キーを押して選択範囲を消去します。

Step11-1 プロパティの変更。

Step 11

 内部デザインの作成。

    1/ Eradationレイヤーのレイヤーモードと不透明度を変更します。

    レイヤーモード=オーバーレイ
    不透明度=60.0

Step12-1 曲線の作成。

Step12-9 6本の曲線を作成。

Step12-13 中央部分を重ねてアクセントをつけています。

Step 12

 内部デザインとして曲線群を追加する。

    1/ 新規レイヤーを作成します。

    レイヤー名=Whirl Line
    背景=透明

    2/ ペンツールで左図のような曲線を描画します。

    3/ 描画色を白に変更します。

    4/ Whirl Lineレイヤー選択状態で、”パスの境界線を描画”ボタン(ペンツールのプロパティ)をクリックします。

    設定:

      線スタイルを設定して描画=チェック
      線の幅=1.0

    5/ Whirl Lineレイヤーを複製します。

    6/ Whirl Line コピーレイヤーを回転させます。

    角度=-1.00

    7/ 作成されたフローティングレイヤーを[↑]キーを二回押して、2px上に移動させます。

    8/ レイヤータブ底部左端のファイルのアイコンをクリックし、フローティングレイヤーを永続的レイヤーに変換します。

    9/ これを5回繰り返し、6本の曲線を描画します。

    10/ 作成された曲線のレイヤーを全て統合します。

    11/ 統合されたWhirl Lineレイヤーを複製します。

    レイヤー名=Whirl Line コピー

    12/ Whirl Line コピーレイヤーを回転させます。

    角度=-5.00

    13/ Whirl Line コピーレイヤーを[↑]キーを二回押して、10px上に移動させます。

    14/ Whirl Line コピーレイヤーをWhirl Lineレイヤーに統合します。

    Whirl Line コピーレイヤーを右クリック>下のレイヤーと統合

Step11-1 プロパティの変更。

Step 13

 内部デザインの作成。

    1/ Whirl Lineレイヤーのレイヤーモードを変更します。

    レイヤーモード=微粒結合

Step14-2 曲線の作成。

Step14-13 中央部分を重ねてアクセントをつけています。

Step 14

 内部デザインとして曲線群を追加する。

    1/ 新規レイヤーを作成します。

    レイヤー名=Curv
    背景=透明

    2/ ペンツールで左図のような曲線を描画します。

    3/ 描画色を白に変更します。

    4/ Curvレイヤー選択状態で、”パスの境界線を描画”ボタン(ペンツールのプロパティ)をクリックします。

    設定:

      線スタイルを設定して描画=チェック
      線の幅=1.0

    5/ Curvレイヤーを複製します。

    6/ Curv コピーレイヤーを回転させます。

    角度=-1.00

    7/ Curv コピー(もしくは、作成されたフローティングレイヤー)を[↑]キーを二回押して、2px上に移動させます。

    8/ フローティングレイヤーが作成された場合は、レイヤータブ底部左端のファイルのアイコンをクリックし、フローティングレイヤーを永続的レイヤーに変換します。

    9/ これを5回繰り返し、6本の曲線を描画します。

    10/ 作成された曲線のレイヤーを全て統合します。

    11/ 統合されたCurvレイヤーを複製します。

    レイヤー名=Whirl Line コピー

    12/ Curv コピーレイヤーを回転させます。

    角度=-5.00

    13/ Curv コピーレイヤーを[↑]キーを二回押して、10px上に移動させます。

    14/ Curv コピーレイヤーをCurvレイヤーに統合します。

    Curv コピーレイヤーを右クリック>下のレイヤーと統合

Step15-1 プロパティの変更。

Step 15

 内部デザインとして曲線群を追加する。

    1/ Curvレイヤーのレイヤーモードを変更します。

    レイヤーモード=微粒結合

Step16-4 斜めの選択範囲を白で塗り潰す。

Step 16

 内部デザインの追加。

    1/ 新規レイヤーを作成します。

    レイヤー名=Diagonal Selection

    2/ 矩形選択ツールで選択範囲を作成します。

    3/ 回転ツールを以下に設定し選択範囲を回転させます。

    変換対象=選択範囲
    角度=-30度

    4/ Diagonal Selectionレイヤーで、選択範囲を白で塗りつぶします。

Step17-3 斜めの選択範囲を白で塗り潰す。

Step17-6 斜めの選択範囲にグラデーションを適用。

Step 17

 内部デザインの追加。

    1/ 再び矩形選択ツールで選択範囲を作成します。

    2/ 回転ツールを以下に設定し選択範囲を回転させます。

    変換対象=選択範囲
    角度=-30度

    3/ 選択範囲を白で塗りつぶした領域の左隣に移動させます。

    4/ 新規レイヤーを作成します。

    レイヤー名=Gradation Selection
    背景=透明

    5/ 描画色を白に変更します。

    6/ Gradation Selectionレイヤーにブレンドを適用します。

    設定: グラデーション=描画色から透明 形状=線形 グラデーションの適用方向=選択範囲に直角に左から右

Step18-7 二つのレイヤーの不透明度変更後。

Step 18

 内部デザインの追加。

    1/ Diagonal Selectionレイヤーから選択範囲を作成します。

    Diagonal Selectionレイヤーを右クリック>不透明部分を選択範囲に

    2/ Gradation Selectionレイヤーを選択し、[Del]キーを押して選択範囲を削除します。

    3/ Base Gradationレイヤーから選択範囲を作成します。

    Base Gradationレイヤーを右クリック>不透明部分を選択範囲に

    4/ 選択範囲を反転させます。

    選択>選択範囲を反転

    5/ Gradation Selectionレイヤーを選択し、[Del]キーを押して選択範囲を削除します。

    6/ Diagonal Selectionレイヤーを選択し、[Del]キーを押して選択範囲を削除します。

    7/ Diagonal SelectionレイヤーとGradation Selectionレイヤーの不透明度を変更します。

    不透明度=共に20

    8/ 選択範囲を解除します。

    選択>選択範囲を解除

Step19-5 Logoの追加。

Step 19

 タイトル ロゴの作成。

    1/ 内部デザインがやっと終了したので、ここからは様々なパーツを置いていきます。まずタイトルのロゴを置きます。こちらのサイトから、蝶々のブラシをダウンロードし、解凍しGIMPのbrushesディレクトリに保存します。

    2/ ブラシダイアログで更新ボタンをクリックし、インストールしたブラシを利用可能にします。。

    3/ 新規レイヤーを作成します。

    レイヤー名=Butterfly Logo
    背景=透明

    4/ 描画色を変更します。

    描画色=ffffdf(HTML表記)

    5/ Butterfly Logoレイヤーに一回だけブラシを以下の設定で適用します。

    ブラシ=Webgoddess Butterfly 5
    拡大・縮小=任意(作例では、1.00)

Step20-1 銀行名の入力。

Step 20

 タイトルの作成。

    1/ 銀行名を入力します。作例では、Logoの右に、以下の設定でテキストを入力しました

    フォント=MeninBlue(フリー、NewFontsNetよりダウンロードできます)
    サイズ=21
    描画色=ffffdf(HTML表記)

Step21-3 ICチップの選択範囲。

Step21-4 ICチップ概形の作成。

Step 21

 ICチップの作成。

    1/ 新規レイヤーを作成します。

    レイヤー名=IC Chip
    背景=透明

    2/ 描画色を変更します。

    描画色=f2e9ca(HTML表記)

    3/ 矩形選択ツールで以下の設定にして縦横同じ長さの角丸四角を作成します。

    角を丸める=チェック 半径=10.0
    値を固定=チェック

    4/ IC Chipレイヤー選択状態で、選択範囲を描画色で塗りつぶします。

    5/ 選択範囲を解除します。

    選択>選択範囲を解除

Step22-4 ICチップの作成完了。

Step 22

 ICチップの作成。

    1/ 新規レイヤーを作成します。

    レイヤー名=IC Chip Line
    背景=透明

    2/ 描画色を変更します。

    描画色=c5b28f(HTML表記)

    3/ 作例のような直線と角丸の図形を描画色で描きます。

    4/ 適当なサイズに縮小して、適切な位置に移動させます。

Step23-4 口座番号を入力。

Step23-6 口座番号でバンプマップを適用。

Step 23

 凹凸で表示する情報の作成。

    1/ 口座番号を作成します。キャッシュカード用フォントをダウンロードします

    Dafont.comからHalterフォントをダウンロード、解凍し、GIMPのfontsディレクトリに移動させます。その後フォントタブでフォントを更新しフォントを有効にします。

    2/ 描画色を変更します。

    描画色=dfdfdf(HTML表記)

    3/ 口座番号を以下のフォント設定で入力します。

    フォント=Halter
    サイズ=11

    4/ 左右中央になるように移動させます。

    5/ Base Gradationレイヤーにバンプマップを適用します。

    フィルタ>マップ>バンプマップ

    設定:

      バンプマップ=入力した口座番号(数字の羅列)レイヤーを指定。

    6/ 口座番号を入力したテキストレイヤーを非表示にします。

Step24-6 口座人名と有効期限でバンプマップを適用。

Step 24

 凹凸で表示する情報の作成。

    1/ 以下のフォント設定で口座人名と有効期限を入力します。

    フォント=Halter
    サイズ=16

    2/ 適切な位置に移動させます。

    5/ Base Gradationレイヤーにバンプマップを適用します。

    フィルタ>マップ>バンプマップ

    設定:

      バンプマップ=口座人名と有効期限レイヤーを指定。

    6/ 口座人名と有効期限を入力したテキストレイヤーを非表示にします。

Step25-2 完成画像。

完成時レイヤー構造。

Step 25

 印刷表示する情報の作成と微調整。

    1/ キャッシュカードに記されている印刷情報を適切な位置に入力します。フォント、フォントサイズ、描画色は適当に変更します。

    2/ 完成したと思ったのですが、Butterfly Logoに触覚がないのは寂しいので触覚を追加しておきました。

     また、デザインに使用した曲線群が少しウルサイので、CurvレイヤーとWhirl Lineレイヤーの不透明度=50に下げています

    完成です。

飾ってみました。

目次のページに戻る


初版作成: 2011/01/01
Presented by HIPPO